2009年2月22日日曜日

「福山競馬再生会議」に参加 がんばれ地方競馬


 長引く不況もさることながらレジャーの多様化や価値観の多様化などなど様々な要因が、いま競馬産業を襲い全国の地方競馬は売上低迷に苦労している。当然、赤字を一般会計から補てんするといった議論になると存廃論議も再燃するため運営には主催者も大変な苦労をしている。
 広島県福山競馬場も例外ではなく、福山市の市営競馬場として60年の歴史を持つが、島根県の益田競馬場がなくなった今、規模的には日本で一番小さな競馬場だと思う。
 そんな福山競馬場が、再生に向けて「福山競馬再生会議」なるシンポジュームを21日に地元で開催した。
 コーディネーターが大月隆寛(札幌国際大学教授)さんだということもあり、参加してきた。
 シンポジュームは、パネリストとして馬主会代表、調教師会代表、騎手会代表、福山市議会競馬特別委員会委員長、FM福山コメンテーター、そして、ばんえい競馬の運営をしているオッズパークの代表で、参加者は競馬場の関係者や競馬ファンなど200名を超えた。
 私も競馬産業に従事する一員として、多くの地方競馬場の仲間と接しているが、大月教授は、中津競馬場の廃止(2001年:平成13年)の時に知り合い、「中津物語」という本を出版された方で全国の地方競馬の現状を憂い再生・活性化に向けた取り組みをしていただいている貴重な方だ。
 「競馬」をあまり知らない人は、「競馬=ギャンブル」としての認識しかなく、生産から育成、調教、出走・・・といった一連の行程の中にどれだけ多くの人間が関わり、それを糧として生活しているか理解されていない。CM不足もあるが、残念に思う。
 「赤字」だから「廃止」という短絡的(とはいっても、知らない人にとっては当然の考えである)な考えでしか競馬を考えてくれないが、実際、舞台裏には様々な生活とドラマがある。
 私は競馬は、「崇高なブラッドスポーツ」として考えているが、競馬を糧として働く人の実態をもっと一般の人にも知ってほしい。
 そして、馬と人間のかかわり、あのスポーツの祭典であるオリンピックの競技の中で、動物と人間が一体となって競技するのは乗馬しかなく、競馬と乗馬の若干の違いはあれど、馬と人間のかかわりは深いものがある。
 競馬がこれまで果たしてきた役目、貢献度、そして「馬券」というギャンブルによる家庭崩壊など負の部分を一つのテーブルの上で議論し、競馬というものを見てほしいと思う。
 福山競馬場の厩務員会の世良会長とこのシンポジュームの後、福山駅前の居酒屋へ飲みに行った。
 「たくさんの人が来てくれてた。良かった。またやらんないかんのぉ。」と世良さん。
 「もっと飲んで話したいが明日は12時に起きて仕事やから、飲めんは~」と同書記長の川上さん。
 二人とも福山競馬を愛し、競馬を糧として働き、仲間のために組合運動もしている。
 この二人のためにも、福山競馬の再生を願いたい。

2009年2月17日火曜日

政策特別講座「世界的不況と自治体財政」を受講


 毎年、自治体議会政策学会の講座は、自治体運営並びに自治体議会の運営に関する事柄を、様々な分野からの講師を招き開催されており、今回で私も6回目となる参加でした。
 今回のテーマは、「世界的不況と自治体財政~予算審議で問われる議会の責務~」であり、3月の予算議会控え興味深い内容での講義研修となりました。
 講座は、全5講座を2日間に分けて受けることになりますが、今回も有意義な研修でした。
 当市もつい先日まで「財政再生団体」、「早期健全化団体」の指定を受けるのではという切迫した状態でしたが、その場しのぎとはいえ、県が一定の支援をしてくれたことで、数値上は、「財政再生団体」、「早期健全化団体」の指定を免れるような状況にはなりました。
 しかし、財政が病んでいることには変わりありません。
 いま、日本を襲っているアメリカ発の経済危機は、輸出産業に依存してきたツケでもあり、長期化が叫ばれていますが、このことにより平成21年度も予断を許さない状況にあり、今回はしのいだ危機を1年後は乗り切れるのか?安心は禁物です。次なる一手をしっかりと確保することが重要です。
 栗東市として、地の利、歴史、住民性・・・ETC.を活かした地域活性化のための施策。地場産業の活性化施策。オンリーワンとしての栗東市に何ができるのか?新エネルギーの開発にも興味があります。馬の町栗東の証として、JRA栗東トレーニングセンターの馬糞のエネルギー化。企業誘致の施策の刷新。駅前の活性化と観光施策は・・・。無いもの探しではなく、ある物を活かしたまちづくり・・・様々な思いが頭をよぎっています。
 

2009年2月8日日曜日

RD産廃処分場問題の行方

 9年目を過ぎた栗東市のRD産廃処分場問題。
 去る1月28日。栗東市は滋賀県がRD産廃処分場の対策工案として提示している「よりよい原位置浄化策」に同意することを決め、その判定を市議会に求めてきた。それを受け栗東市議会は、臨時議会を開催。
 結果は、賛成10人、反対8人で市長提案(県案に同意)が可決した。しかし、賛成に手を挙げた議員から付帯決議(県に住民同意を優先とするよう求めたもの)が出され、それも10:8で可決することとなった。
 そして、それを受けた県の動向が注目され・・・・知事の意向は意外にも、「県案の強行ではなく、やはり住民合意を優先にする」という意向を示された。
 そもそも、栗東市長は今回の臨時会への提案にあたって「県案への同意は総合的見地からやむを得ないと判断する」と提案理由にも述べながら、一方では「県は地元住民の意向を十分に尊重し、対策工実施の基本方針に基づき周辺7自治会の合意と納得を得られたい」と県への要請を付け加えた。
 しかし、この時点では、周辺7自治会のうち、1自治会が県案に同意、5自治会が不同意、1自治会が不明という状況にあり、「周辺7自治会の合意と納得を得られたい」と要請を付け加えるのであれば、まず、栗東市の7自治会の動向を尊重すべきではなかったのか?
 なぜ、自治会の動向が出そろうまで待てなかったのか?その提案を受け取る議会も議会であるが、甚だ疑問であり、理解しがたい行動である。
 また、市長提案に賛成し、付帯要求の決議まで出した議員も、各自治会の動向が出揃っていない中で声高に「住民の合意を優先…」と、一方では無視し、一方では提案といったまったく理解できない行動であった。

 とはいえ、県知事は、「住民の合意を優先する」ことを理由に平成21年度の予算に県の対策工の予算を計上しないことを明言し、この問題に対して強硬姿勢から一転。スピードダウンを実行した。
 このことに対する県知事の勇気には大きな賞賛を送りたいが、なんといっても長い年月で培った住民の県行政に対する不信はただものではない。
 県案に反対してきた住民たちは、「住民の合意を優先する。と知事は言っているが…本当に大丈夫か?」といった思いが次に湧いてきている。
 
 私は、9年かかっているこの問題。そして一時は県が地域住民の話に聞く耳を持たず「よりよい原位置浄化策」で強行してきたこの問題も、「住民合意を優先」という一言でスピードダウンしたのなら、そこは知事を信頼し、許された時間の中でしっかりと協議していくことに期待をしたい。
 そして、7自治会の内、同意の意向を示している1自治会、そして近日中に結論を出すであろう1自治会、そして不同意の5自治会が、この機にその協議の場の同じテーブルについて話し合ってくれることを心から望んでいるし、県は二度と同じ過ちを犯してほしくない。
 この問題の最終目標(一日も早い問題解決による安全安心の確保)は、すべての住民が同じであるはずであるから、手段の違いをお互い尊重しながらひとつにまとめあげてほしいものである。
 そのための栗東市であってほしいし、そのための市議会でなければならないのではないだろうか。